「鹿児島睦 まいにち」展、2024年まで6月23日(日) 福岡県立美術館で開催

“役に立たないもの、美しいと思わないものを、家に置いてはならない”

100年以上前、イギリスの芸術家・思想家、ウィリアム・モリスはこのように言いました。その思想はイギリスからじわじわと世界中に広がり、人々が日々の暮らしに目を向ける、ひとつのきっかけとなりました。
時を超え、九州は福岡で、陶芸家・アーティストの鹿児島睦(かごしままこと、1967年ー)も、人々の暮らしをよりよいものにしようと日々励んでいます。

この展覧会は、陶芸作品を中心に、テキスタイル、版画など多彩な仕事で注目を集める鹿児島睦、初の大規模な展覧会です。会場は、動物や植物をあしらったさまざまな色や形の約200点の器が、「あさごはん」「ひるごはん」「ばんごはん」のための大きなテーブルや壁面に並びます。そのほか、ファッション、インテリア、フードなどの領域でのコラボレーションから生まれたさまざまなプロダクツや作品を、「さんぽ」「おやすみなさい」など、日々の暮らしのシチュエーションで紹介していきます。

鹿児島睦とその作品を通じて、私たちの日々の暮らしと、生きていくことに思いをはせる、そんな展覧会です。

「鹿児島睦 まいにち」展
makoto kagoshima: day after day

PLAY! MUSEUM「鹿児島睦 まいにち」展 メインビジュアル

開催スケジュール
2023年6月30日(金)―8月27日(日) 市立伊丹ミュージアム(兵庫)
2023年10月7日(土)―2024年1月8日(月・祝) PLAY! MUSEUM(東京・立川)
2024年2月24日(土)―4月14日(日) 佐野美術館(静岡・三島)
2024年4月24日(水)―6月23日(日) 福岡県立美術館

主催:開催館
企画制作:西日本新聞イベントサービス、ブルーシープ

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展覧会の見どころ

鹿児島睦は、人々の暮らしを想い、日々、作品を作っています。展覧会では、朝に始まり夜に終わる一日のシーンにあわせて器やプロダクツを展示し、鹿児島が生み出す世界をお楽しみいただきます。

1. 動物や植物をモチーフにした新作の器 約200点

鹿児島は、器は使うものであり、見るものでもあると考え、色や形を決め、草花や生き物をモチーフにした絵皿を制作しています。陶芸家として独立した2002年以降、色々な素材や技法を試しながら現在の作風を確立し、国内外から注目を集めています。

器には、プレートや鉢を中心に、丸や四角、オーバルなどさまざまな形、大きさがあります。地色は黒、ピンク、黄色、緑、白など。存在感のあるマットな手触りの器それぞれの形に合わせて、線彫りや蝋抜きなどの技法を使いながら、10色ほどの顔料で生き物と草花がグラフィカルに描かれています。犬や猫、ライオンから蛇やユニコーンといったさまざまな生き物と、抽象的で伸びやかな草花は普遍的で、使う者、見る者の想像力を広げます。

★技法の紹介

黒地・下絵付け
白い素地に複数の顔料で絵付けをしたあと、描いた絵柄を縁取るように黒い顔料を施す。

下絵付け
白い素地に様々な顔料を使って絵付けしている。

色地・下絵付け
絵柄部分の白い素地を残しながら、顔料で色を塗る。図案のアウトラウンを際立 たせるために削りを施している。

染付・蝋抜き
溶かした蝋でマスキングを施してから青の呉須で染め、施釉して焼成すると、蝋引きした以外 の部分が青く染付される。

鉄絵

白い素地に酸化鉄を含む顔料で絵付けしている。

*以上すべて「鹿児島睦 まいにち」展のための器 2023年

2. 国内外のブランドとコラボレーションしたプロダクツ 約100点

鹿児島は国内外のファッション、インテリア、フードなど、さまざまな領域でのコラボレーションを行いプロダクツや作品を多数生み出しています。

創業1905年の京都の帆布かばん店・一澤信三郎帆布とはオリジナルの図案を用いた帆布を2013年以降複数回にわたり制作しています。動植物を散りばめた図案は、ハンドメイドの器とは異なる画面構成で、布地への染めならではの鮮やかな色づかいが目を引きます。

フラワーベース「En Liten Vän」は、2018年から続く、スウェーデンの製陶工場グスタフスベリ社(Keramikstudion Gustavsberg)との花器のシリーズ。鹿児島が原型となる動物の造形とデザインを行い、現地で型を作り成形し、職人が一点ずつ絵付けを施し生産されています。

本展では、新作を含む約100点のプロダクツや作品を紹介します。

3. 鹿児島睦の「まいにち」

鹿児島睦は、造形作家だった祖父の影響を受け、美術大学で陶芸科を専攻。卒業後はインテリアショップで勤務したのち、2002年に陶芸家として独立しました。現在は福岡市内に2つの拠点を持ち、制作を続けています。

本展の最後では、鹿児島が日々制作を続ける様子や、アトリエに飾られたアイテム、さらには制作の背景にあるものを紹介します。

僕は、朝ごはんを食べながら「今日、何する日?」と奥さんに聞くのが日課なんです。「お皿の絵付けが20枚、16時に窯出しだよ」などといってもらい、一日中、ひたすらそれをやるだけです。朝の8時頃からはじめて、12時になったらお昼を食べて、13時からまたやり出します。その日の予定を終えるまで手を動かすんですけど、普段はNetflixを流したり音楽を聴いたりしながらやりますし、蝋抜きや地塗りなどは家族も手伝ってくれます。集中してはいるけれど、 根を詰めるというのとはちょっと違って、淡々と、という感じ。陶芸の作業は夕ごはんまでに終えて、夜は机に向かって絵を描くことが多いかな。僕の毎日は、こんなです。

展覧会図録『鹿児島睦 まいにち』のインタビューより

4. 鹿児島睦の器と作家・梨木香歩の文で生まれた新作絵本『蛇の棲む水たまり』

PLAY! MUSEUM 会場風景 撮影:植本一子

「馬は群れを出て 森に入り
その森を出て 次の森に入る手前で
蛇の棲む 水たまりを見つけた」

作家の梨木香歩が、鹿児島睦の器を見て物語を書き下ろし、1冊の絵本が生まれました。豊かな草花が生茂る森に暮らす蛇、馬、猫、トリケラトプスなどの生き物。鹿児島が作る器に息づく生命が動き出し、ひとつの物語に向かいます。物語を受け取った鹿児島睦は、何度も読んで反芻し、ラストシーンに新しい一枚を制作しました。
展覧会では、物語の中に分け入るように言葉と器を展示し、新しい鑑賞体験を提案します。

絵本『蛇の棲む水たまり』
全国書店で発売中

5. 「まいにち」を豊かにするオリジナルグッズ

アパレル、ステーショナリー、雑貨、フードなど、「まいにち」を豊かにするオリジナルグッズを多数用意します。絵柄の多くは本展描き下ろし。鹿児島が推薦した作り手を含め、丁寧な手仕事や伝統工芸とのコラボレーションが実現します。

展覧会図録『鹿児島睦 まいにち』

発行:ブルーシープ
デザイン:白い立体

定価:税込2,420 円、A4 変形、並製、176ページ
6月30日より市立伊丹ミュージアムで先行発売
7月中旬から全国書店で販売

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グッズについて

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本展によせて、鹿児島睦からコメント

撮影:田附勝

様々なアルバイトやサラリーマン生活を経験しましたが、作陶やデザインも私にとってはどれも同じ毎日の仕事でした。今も全く変わらない毎日が続いています。

鹿児島睦(かごしま・まこと)

陶芸家・アーティスト
1967年 福岡県生まれ

美術大学卒業後、インテリア会社に勤務しディスプレイやマネージメントを担当。2002年より福岡市内にある自身のアトリエにて陶器やファブリック、版画などを中心に制作。日本国内のみならず、L.A.、台北、ロンドンなどで個展を開催、近年では世界中にファンが広がっている。作品制作の他、国内外のブランドへ図案の提供も行っており、陶器にとどまらずファブリックやペーパーなど様々なプロダクトを発表。また、国際的なアートプロジェクトへの参加や、空間への壁画制作など活動の幅は多岐に渡る。

This is the first large-scale exhibition of Makoto Kagoshima, potter and artist, who has garnered attention for his diverse works of ceramics, textiles, and prints. The gallery rooms will be lined with a variety of dishes featuring adorable depictions of animals and plants in rich colors on the “breakfast”, “lunch” and “dinner” table. Other products created through collaborations in various fields such as fashion, interior design, and food will be introduced in situations of daily life.

[Venues and period of the exhibition]
30 June 2023 – 27 August 2023, Itami City Museum of Art, History and Culture
7 October 2023 – 7 January 2024, PLAY! MUSEUM, Tokyo
24 February 2024 – 14 April 2024, Sano Art Museum, Shizuoka
24 April 2024 − 23 June 2024, Fukuoka Prefectural Museum of Art, Fukuoka