「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」 会期・会場
2025年4月5日(土)― 6月15日(日)東京ステーションギャラリー
2025年8月1日(金)―10月13日(月)市立伊丹ミュージアム(兵庫)
2025年10月25日(土)―2026年1月12日(月) 岐阜県現代陶芸美術館(岐阜)
主催:開催館
企画協力:エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団、ブルーシープ

展示概要
フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(1915-1985)の日本初回顧展です。1940年代後半から1950年代にかけて、イッタラ社のデザインコンペ優勝やミラノ・トリエンナーレのグランプリ受賞によってヴィルカラは一気に脚光を浴びました。デザインのフィールドはガラスのほかに磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、グラフィック、空間まで広くおよびます。数多くのドローイングやプロトタイプを重ね、あらゆる素材に向き合い、触覚と視覚を鋭く働かせて生みだす洗練されたフォルムはヴィルカラの作品の見どころです。
セラミック・アーティストの妻ルート・ブリュック同様、ヴィルカラはラップランドの静寂をこよなく愛し、生命の神秘や大自然の躍動から得た着想は、「ウルティマ・ツーレ」(ラテン語で「世界の最北」を表す言葉)をはじめとする名作を誕生させました。また、神話をモチーフにしたガラスのオブジェや、自ら開発した積層合板「リズミック・プライウッド」を用いたオブジェ、土や風すら味方につけるランドアートには、プロダクト・デザイナーとは異なる表現者の顔をのぞかせます。
本展は、エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから厳選したプロダクトやオブジェ約300点に加え、写真やドローイング(複写)を展示します。デザイナー、彫刻家、造形作家としての、繊細にしてダイナミックなヴィルカラの魅力に迫ります。







TAPIO WIRKKALA(タピオ・ヴィルカラ)

1915年、フィンランド南部の港町ハンコに生まれ、幼少期をヘルシンキで過ごす。1936年、ヘルシンキ中央美術工芸学校を卒業後、広告デザイナーとして働く。1945年、アラビア製陶所美術部門のセラミックアーティストだったルート・ブリュック(1916-1999)と結婚。1946年、イッタラ社のデザインコンペ優勝を機に同社のデザイナーに起用され、約40年にわたり第一線で活躍。1951年のミラノ・トリエンナーレでガラス作品《カンタレッリ》と会場デザインでグランプリを受賞。1966年、デザイン事務所「デザイン・タピオ・ヴィルカラ」を設立。ヴェネチアン・ガラスの工房ヴェニーニやドイツの磁器製造会社ローゼンタール社とのコラボレーションワーク、フィンランド・マルッカ紙幣、フィンランド航空の機内用食器、「フィンランディア」ウォッカボトルのデザインなど、幅広く手がける。1985年、ヘルシンキで69歳の生涯を閉じた。カイ・フランク、ティモ・サルパネヴァに並ぶフィンランドデザインの三巨匠と称される。2003年、タピオ・ヴィルカラルート・ブリュック財団が設立され、エスポー近代美術館に多くの作品が寄託されている。2025年はヴィルカラの生誕110年であり、没後40年にあたる。
書籍
展覧会ブックレット『タピオ・ヴィルカラ 世界の果て Tapio Wirkkala : The Sculptor of Ultima Thule』






2025年4月5日発売 ※会場限定販売
税込1,320円(本体1,200+税)
B5版変形 112ページ
ブルーシープ刊
グッズ
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ブルーシープで制作した、展覧会場で販売しているグッズです。
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