『蛇の棲む水たまり』ができるまで 鹿児島睦

●ウイリアム・モリスの好きなところ 

 真面目で生涯手を動かしてものづくりを続けたところ。

 友達がいたところ。

 ラベンダーの香水が好きだったところ。

 闘い続けたところ。

●イギリスの好きなところ

 自然や古いものをみんなで守ろうと努力するところ。

 文化や学問にたっぷりお金をかけるところ。

 子供からおじいちゃんおばあちゃんまでみんな自分の流儀に自信を持っているところ。

 食べ物や音楽。

●好きな生き物

 自分の次に犬。

●「群れから離れた」経験は?

 無いです。群れから離れるにはまず群れに属さないといけないですよね・・・。

市立伊丹ミュージアム 会場風景 撮影:中村寛史

●作家になったきっかけ

 死ぬまで続けられることは何かな?と考えたのもきっかけの一つ。

●憂いてる社会の問題

 反知性。

●希望を感じる瞬間

 生き物(植物含む)の生命力の強さを見たときに、与えられるのではなく湧き上がる。

●この本で好きな器

 『水たまりのなかから サワサワ 不思議な風が 吹いてくる』の植物のシルエットで構成された器。

●この本で一番好きな文

 もちろん全部ですが、蛇/龍の『龍とか 蛇とか どうでもよくなる でも 龍でもあり 蛇でもある そんな感じがね 好きなんだ』のところ。

●梨木香歩さんへ

 器は道具でもあるので、制作するときは私の主義主張、何かを訴えるメッセージや物語を排除する努力をしています。私の器を色やモチーフで並べてもストーリーができないよう工夫していると言ってもいい、と思っていました。梨木さんが選んでくださった器に描いていた馬や蛇もページごとに姿形や色がどれも違うので、読む側は馬や蛇に視覚からの感情移入は難しいはずです。でも、動物たちの言葉の響きが頭の中に残り続けます。器の写真なんか不必要だ、これが文学、文章の力だ・・・と打ちのめされる自分を受け入れています。

市立伊丹ミュージアム 会場風景 撮影:中村寛史

『蛇の棲む水たまり』ができるまで 梨木香歩へ

絵本『蛇の棲む水たまり』