2025年7月10日(木)発売 ヨシタケシンスケ『まだ大どろぼうになっていないあなたへ』
「あなたの最終的な目標は、大どろぼうになることです」
いつの間にか失ってきた大切なものたち。「本当のあなた」になるためには、大どろぼうになって、大切なものを取り戻す必要があります。本当の自由を手に入れるため……ヨシタケシンスケが贈る大どろぼうになるための絵本。
みんなの「盗まれていたかもしれないもの」
「本当はあなたが手にするべきだったもの」「知らない間に何者かにとりあげられているもの」
……絵本を読んだみなさんに聞きました。
質問「あなたが盗まれていたかもしれないものをおしえてください」
*順不同、適宜更新します
◎尾崎世界観 (ミュージシャン)
他者を許すための、包み込むような鈍感さ
◎荻上チキ(評論家・ラジオパーソナリティ)
じぶんのための、じかんをぬすまれてる!
よけいなことばかりさせやがって!
◎名久井直子(ブックデザイナー・『まだ大どろぼうになっていないあなたへ』デザイン)
土踏まずをあるときから盗まれている気がします。
小学校の体育のプールのときは、足跡に土踏まずがしっかりあった気がするのです。
あと、マッキーの赤ペン、箱で買っているはずなのに、
いつも2本しかありません…。ぜったい盗まれている気がします。
◎張替那麻(建築家・大どろぼうの家展 空間構成)
記憶。
年齢を重ね、昨日のことさえ忘れてしまう記憶力の衰えを感じていたけど、
ひょっとしたら、日々、世界に自分の記憶を盗まれているのかもしれない。
(そんな自分の外部記憶として、このおおどろぼうの家があるのです。)
◎伊野孝行 (イラストレーター・大どろぼうの家展 子どもの回廊 肖像画制作)
ぼくは一人旅が苦手なのですが、実は一人旅をする勇気や好奇心を盗まれていたのかもしれない。思い切って旅に出てみよう。盗まれたものが見つかるかもしれない。
◎嶽まいこ(イラストレーター・大どろぼうの家展 ビジュアル制作)
時間を気にせずに思いきり遊ぶこと。ちいさいころは時間を忘れて没頭できていたことですが、今はいろいろ考えてしまってなかなかそれができません。いつか取り戻したいものです。
◎大内るか(4歳)
この本(『まだ大どろぼうになっていないあなたへ』)のすてきな文章!
◎竹下ひかり
お鍋の〆:友人宅で〆をせずに自然解散したとき
携帯の充電:気づいたら急に減っている
長さ:乾燥機から縮で出てきたセーター
◎加藤花梨
名字:名前が変わるのも面白いかもしれないと思ったけれど、そう思わされていたのかも。生まれた時から使ってきた名前がやっぱり一番、私らしい。新しい名字で呼ばれる機会が増え、もとの名前を取り戻したいと感じるようになりました。
◎岸田安見
大人らしさ:子ども時代は子どもらしさだったかも
お気に入りのシースルーシャツ:捨てた記憶がまったくないので、きっと誰か(風とか)に
◎佐古奈々花
普通:いろいろなことに疑問を感じるようになり、深く考えすぎて物事を素直に受け入れられなくなっているから。「普通はこう」という型にハマりたくない。
◎森田藍子
新しい家に越してから、朝の光や緑の揺らぎに心がほどける時間が増え、積極的に早起きをするようになりました。「こんなに美しかったんだ」と思うたび、スルーしていた自分の感受を、取り戻しているような気がします。