ガラス食器をめぐり、連なるひとひらのように。
画家の言葉がガラスを、ガラスが絵画を、そしてガラスと絵画が写真を生み、
展覧会が生まれ、見る人と対話が生まれていく。
2018年、スウェーデン在住のガラス作家・山野アンダーソン陽子の発案で、山野が作ったガラスの器を18人の画家が静物画に描く「Glass Tableware in Still Life」プロジェクトが始まりました。
古くから身近なガラスという素材を介して、さまざまな文化的背景をもつアーティストたちは、言葉と想像力を通じた対話を経て作品を制作しました。そこから生まれたガラスの器と静物画を、写真家の三部正博が画家のアトリエで撮り下ろし、プロジェクトはアートブックとして結実。そして2023年11月、展覧会が行われます。
本書は、広島市現代美術館で始まり、全国を巡回する展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」の公式図録です。図録のために撮り下ろした出品作品(絵画、ガラス、写真)の図版、全作品リストを収録するほか、山野のインタビュー、各会場のキュレーターによる論考、ガラス史の専門家によるコラムなど充実のテキストで、展覧会の全貌をまとめました。
宙吹きならではのわずかな歪みが美しいクリアーガラスの食器、それを受け取った画家たちによる親密な絵画、浮遊感をたたえたモノクロームの写真など、三者三様で表現され、それを見る人自身も、「ガラス食器」について無限の思いをめぐらせるような1冊です。
2023年11月22日発売
定価:税込3,520円(本体3,200円+税10%)
仕様:B5変型、並製、152ページ
アートディレクション&デザイン:須山悠里
写真:髙橋健治
編集:柴原聡子
印刷・製本:株式会社八紘美術
ISBN: 978-4-908356–53-7
山野アンダーソン陽子
スウェーデンのストックホルムを拠点に活動するガラス作家。日本の大学を卒業後、北欧最古のガラス工場であるコースタ内の学校で吹きガラスの手法を学び、その後スウェーデンの王立美術工芸デザイン大学(Konstfack)にて修士課程を修了。クリアーガラスを探求し、スウェーデン、イギリス、日本などで作品を展開する。
展覧会
「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」
2023年11月3日(金)〜2024年1月8日(月) 広島市現代美術館
2024年1月17日(水)〜3月24日(日) 東京オペラシティ アートギャラリー
2024年7月13日(土)〜9月23日(月) 熊本市現代美術館
ほか
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