2022年、私のおじいちゃん・柚木沙弥郎は100歳になった。
ただの100才ではない。現役バリバリである。(丸山祐子)
民藝の枠を越え、アーティストとして老若男女の注目を集める染色家・柚木沙弥郎さん。2022年10月、柚木氏は100歳の誕生日を迎えました。本書は、孫の丸山祐子さんが祖父の記憶、活動、言葉を書きためた「samiroノート」をベースに、101の写真とエピソードを収めたものです。
少年時代、頭上を飛び去ったツェッペリン。「ガリ勉」と呼ばれた、ちょっと思い出したくない黒歴史。戦争に翻弄された学生時代。民藝との出会い。柳宗悦や芹沢銈介との交流。がむしゃらに働いた壮年期……。歴史的な事象や折々の世相を背景に、広く語られてきたエピソードから家族だけが知る日常のひとコマまで、その人生を丹念に紐解きます。
貴重な写真とエピソードで構成された101の見開きは、柚木作品の深遠を垣間見る記録であり、迷いや不安を抱える人の背中を押す物語でもあります。ものをつくること、生きることへの希望にあふれた一冊です。
いろいろなことがあった。
今思うと、ずーっと一本の線の上を歩いて来たように思う。
(柚木沙弥郎)
柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)
染色家・アーティスト。1922年、東京生まれ。 1942年、東京帝国大学文学部美学・美術史科に入学。1946年、岡山県の大原美術館に勤め、柳宗悦の「民藝」に出会い、芹沢銈介に師事し染色家に。染色のほか、版画、人形、絵本などさまざまな作品を制作・発表。国内の公立美術館の他、フランス国立ギメ東洋美術館でも展覧会を開催。
丸山祐子(まるやまゆうこ)
1972年、東京生まれ。2001年より柚木沙弥郎公式サイト「samiro.net」を制作、運営。2004年より家族とともに焼き菓子店「hana」を営み、沙弥郎のデザインしたクッキーなどを販売。不定期刊行冊子『hana』を編集。祖父である柚木沙弥郎の広報および仕事のサポートをしている。息子、娘、夫と4人暮らし。趣味は陶芸とピアノ。
2023年1月16日発売
定価:税込3,520円(本体3,200円+10%)
著者:柚木沙弥郎・丸山祐子
編集:永岡綾
装丁:白い立体
仕様:B5変型、並製コデックス装、216ページ
ISBN:978-4-908356-40-7
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