さあ、空想の旅へ——
本書は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)の日本では30年ぶりとなる展覧会の図録です。
初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを網羅し、フォロンの描く鳥やリトル・ハット・マンといったシンボルとともに紹介します。インクや墨による軽妙な線はユーモアとぬくもりが漂い、溶け合うような色彩のグラデーションは美しい。フォロンの丁寧な観察や思考が垣間見える数々の作品は、私たちの感覚をやさしく解き放ち、時空を超えた空想の旅へと連れ出してくれます。
幻想的で詩情あふれる作品は美しいだけではありません。環境破壊や人権問題などに静かな抗議を行ったフォロンのメッセージも込められました。デジタル化やパンデミック、戦争など、人間が大きな課題と向き合わなければならない現代にこそ、フォロンの芸術は強く心に響きます。フォロンとの空想旅行を経て、私たちは地平線の向こうにどんな景色を見出すのでしょうか。
2024年7月19日発売
定価:税込3,080円(本体2,800円)
編集:東京ステーションギャラリー、名古屋市美術館、あべのハルカス美術館、フォロン財団、中日新聞社
柴原聡子
編集補助:橋場麻衣
執筆:ステファニー・アンゲルロット、浅川真紀、久保田舞美、冨田章、半澤紀恵
翻訳:クリストファー・スティヴンズ、半澤紀恵
アートディレクション&デザイン:須山悠里
デザイン:小河原美波
印刷・製本:株式会社アイワード
仕様:A4変型、256ページ、並製
ISBN:978-4-908356-59-9
ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)
20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとり。1934年ベルギー・ブリュッセル生まれ。はじめは建築や工業デザインを学ぶが、1955年にパリ近郊へ移住し本格的に絵を描き始める。1960年代初頭に雑誌『ニューヨーカー』や『タイム』の表紙を飾り、その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催される。日本では30年ぶりとなる回顧展を、2024年7月より東京、名古屋、大阪で順次開催。
◎展覧会
「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」
2024年7月13日(土)―9月23日(日) 東京ステーションギャラリー(東京)
2025年1月11日(土)―3月23日(日) 名古屋市美術館(愛知)
2025年4月5日(土)―6月22日(日) あべのハルカス美術館(大阪)
©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024–2025
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