書籍『フォロンを追いかけて Book 2 』

フォロンを追いかけて撮り下ろした写真と気配を感じる言葉で、フォロンを「感じる」本

ジャン=ミッシェル・フォロン(1934-2005)は、ユーモラスな線描、美しい色彩とファンタジックな世界観、そして人類に警鐘を鳴らす強いメッセージを描いたベルギー人のアーティストです。1970年代以降世界的に活躍し、日本でも1980年代と90年代に大規模な巡回展が開かれ、人々の心をつかみました。今回約30年ぶりに展覧会が開かれるのを機に、フォロンのファン、フォロンを知らない新たな鑑賞者にむけた本を2冊出版します。フォロンが生み出した多彩で詩情的な作品群を前に、すっと心を開く。そしてフォロンを過去にではなく、未来に感じる。そんなきっかけになるような、フォロンを追いかける二つの旅のような2冊の本です。

『フォロンを追いかけて Book2』
2冊目はフォロンを「感じる」旅。農家を改築したアトリエに差し込む柔らかな光、母屋の壁に開けられた大きな窓から広がる田園。フォロンが愛したパリ近郊の小さな農村ビュルシーの家にはじまり、世界への足掛かりをつかんだパリからブリュッセルへ。地下鉄駅の巨大な壁画、郊外にあるラ・ユルプの美しい森と湖、そして敷地内に設立されたフォロン財団に飾られた絵や彫刻。フォロンのいた場所を写真家の木村和平がたどりフィルムに収めました。ペンから筆、平面から立体へ広がるフォロンの多彩な作品と木村の写真が本を織り成します。旅の終章は、大崎清夏の詩です。作品と写真による視覚から飛翔し、フォロンの気配を言葉から感じる試みです。フォロンを追いかける旅は、どこまでも続きます。

2024年7月19日発売
定価:税込2,200円(本体2,000円)
絵:ジャン=ミッシェル・フォロン
写真:木村和平
詩:大崎清夏
翻訳:エレオノール・マムディアン
アートディレクション&デザイン:須山悠里
編集:柴原聡子
印刷・製本:株式会社アイワード
仕様:A5変型、136ページ、並製
ISBN:978-4-908356-58-2

ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)
20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとり。1934年ベルギー・ブリュッセル生まれ。はじめは建築や工業デザインを学ぶが、1955年にパリ近郊へ移住し本格的に絵を描き始める。1960年代初頭に雑誌『ニューヨーカー』や『タイム』の表紙を飾り、その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催される。日本では30年ぶりとなる回顧展を、2024年7月より東京、名古屋、大阪で順次開催。

木村和平(きむら・かずへい) 
1993年福島県いわき市生まれ。東京都在住。2012年ごろより写真を撮り始め、ファッションや映画、広告の分野で活動しながら、作品制作を続けている。第19回写真1_WALLで審査員奨励賞受賞(姫野希美選)。主な個展に、2022、23、24 年「石と桃」 (Roll)、2020年「あたらしい窓」(BOOK AND SONS)、 主な写真集に、『袖幕』『灯台』(共にaptp)、『あたらしい窓』(赤々舎)など。  

大崎清夏(おおさき・さやか) 
1982年神奈川県生まれ。2007年頃から詩人として活動を始め、詩集『指差すことができない』で中原中也賞受賞。著書に『踊る自由』(左右社)、『目をあけてごらん、離陸するから』(リトルモア)、『私運転日記 』(twililight)、『大崎清夏詩集』(青土社) などがある。美術作品や舞台芸術における協働制作も活動の主軸に据え、奥能登国際芸術祭「さいはての朗読劇」(2022、23 年)では脚本と作詞を手がけた。2020年より女子美術大学非常勤講師。

◎展覧会

「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」

2024年7月13日(土)―9月23日(日) 東京ステーションギャラリー(東京)
2025年1月11日(土)―3月23日(日) 名古屋市美術館(愛知)
2025年4月5日(土)―6月22日(日) あべのハルカス美術館(大阪)

特設サイト「私たちのフォロン」

©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024–2025

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